自然に分解され難いものが多い

釣りのごみに潜むリスク、自然に分解され難いものが多い

釣りと一口に言っても、スタイルは色々です。エサを活用するスタイルもあれば、いわゆる疑似餌であるルアーを活用するスタイルもあります。一昔前は前者の釣りが主流でしたが、近年ではルアーを活用した後者、通称スポーツフィッシングが人気になっています。若い世代を中心にスポーツフィッシングを趣味にする方々が増えて来ました。特にブラックバスやシーバスなどは、豪快なファイトが楽しめる事もあって、多くの釣り人が狙うターゲットです。従来の釣りとは対照的に、釣り人が主体的にターゲットに迫られるゲーム性があります。同じ釣り場、同じターゲットでも、利用するロッドやリール、そして細かいルアーの種類によって釣果は大きく左右されます。スポーツフィッシングの流行によって、今では多種多様なデザインのルアーが販売されており、ユーザーが自分の好みやニーズに合わせて細かくセレクト出来るようになりました。

一方で、ルアーフィッシングによる環境問題も、徐々に表面化して来ました。マナーとモラルを守る釣り人が大半ではありますが、中には釣りで発生したごみを放置して帰る方々がいるのも実情です。不要になった釣り糸や針をそのまま湖や野池、海に放置されては環境に多大な負荷が掛かりかねません。釣り糸や針は、自然に分解され難い物であり、長期にわたり自然の中が残り続けるリスクがあります。水辺の生き物が、誤って糸や針を食べたり、糸や針で体を傷つけたりしてしまう等の危険性がそこには潜んでいます。

ルアーフィッシングの醍醐味は釣り場へ直接、ルアーをキャストしてターゲットに迫られる点ですが、いわゆる障害物が多い環境だと投げ込んだルアーが根掛かりを起こしやすいです。ルアーの針が水中の重たい障害物に引っかかると、釣り人はお手上げ状態になります。運よくルアーの針が外れれば良いですが、外れなかった時はルアーが水中に取り残され、ごみになってしまいます。毎回しっかりとごみを持ち帰る真面目な釣り人でも、根掛かりだけは避けられないリスクであり、自然に分解され難いルアーが湖や海に残ってしまえばやはり自然環境に負荷をかけていることになります。